コラム記事 #59
子どもに英語を学ばせたいときに必要な3つの視点
神戸イングリッシュアカデミー(KEA)では、皆さんの子育てが少しでも豊かになるように、少しでもラクになるように、子育ての「ちょっと困った」ことについて、共に考えていく場作りをしています。
保護者様から実際にいただいた質問に、対処のコツや子どもの見方のコツを解説して参ります。毎日の子育てに是非お役立てください!
Ms.Carnell 以下(C)KEA 校長
Ms.Eto 以下(E) 神戸イングリッシュアカデミー(KEA)プログラムコーディネーター
今日のテーマは、「子どもに英語を学ばせたいときに必要な3つの視点」です。
C)
今日は、保護者の方々からもよくご相談をいただく、「英語を学ばせたいときに、何を基準に決めればいいの?」という内容でお届けしたいと思います。
E)
はい、よろしくお願いいたします!
今や「英語」はとても身近になり、幼児期の子ども達の環境にも、しっかりと位置づいて来ていますね。学校の選択肢にも、私立/公立の二択ではなく、インターや留学が入ってきている様子です。
しかし、英語教室、英語を学ぶスクールといっても、そのスクールによって、特徴はさまざま。選択するご家庭が、基準をもって流されることなく決めていくことは難しいかもしれません。
「我が子に英語を」と願うご家庭が、どんな基準で決めていけばいいのか、そこには「正解」はないのですが、本日はスクールを見る際の、3つの視点について、お話して参りたいと思います。カーネルさんには、是非KEAでの取り組みをお話いただければと思います。
C)
はい、よろしくお願いします。
1.子どもが楽しんでいるかどうか
E)
まず1つ目の視点は、「子どもが楽しんでいるかどうか」ということ。
子どもにとって最も重要なのは、楽しいということ。特に学齢に達する前の子どもにとって、「楽しさ」はとても重要な要素です。
大人は、将来のために…と考えるかもしれませんが、子どもにとっては、そんなことどうでもいいというか、わからないですよね。この時期に英語を学ぶことで、「英語は大変だ」というイメージをもたせてしまうと、返って逆効果に。。。それだけは、避けて頂きたいと思います。
子どもが楽しめる環境かどうか、そこには個人差もありますので、是非、大人の目で確かめてみてください。
では、楽しく行うために、先生方がどのような工夫をしていらっしゃるのか、KEAの取り組みを伺っていきましょう。
C)
スクールでは、子ども達が楽しめる環境を作るために、歌やダンスをたくさん取り入れています。実際に子どもたちはとても楽しんでいる様子ですね。
そして、特に歌は年齢が低いほど、たとえ意味がわらなくても耳だけで覚えていて、保護者から「よく英語っぽい歌を歌っています」とお家でも口ずさんでいる様子を耳にします。楽しいから、お家でも口ずさんでいるんだろうな、と感じますし、耳にした経験を、自分でアウトプットして表現する、これもとても大切な成長と考えています。
歌やダンスだけでなく、英語のレッスンで学んでいることも、子どもは楽しくアウトプットしていますね。ジュニアクラスの2歳児でも、先生の真似をしたり、単語を変えてわざとウケるように答えたり…。楽しいから、もっと楽しくしたい!という思いなのかもしれません。
デイリークラスの生徒となれば、先生と遊びたい、話したいという気持ちが強くなっていますので、「昨日何をした」という話を、一生懸命先生に説明しようとする姿や、持ってきた絵本を紹介する姿もよく見えます。家ではそれほど英語を話さないというお子さんでも、スクールでは「話したい人と話したい言語で」コミュニケーションを取っています。
2.どんなカリキュラムが準備されているかを見る
E)
様子がとても良く伝わってきます。
では、2つ目にいきますね。「どんなカリキュラムが準備されているかを見る」、ということです。英語を学ぶ場を決める際には、「どれだけ話せるようになるか」という出口が気になりますが、出口ばかりを意識するのではなく、その出口に向かうプロセス、つまり、どんなカリキュラムによって、子どもたちの学習が展開されているかを、是非見て頂きたいと思います。
母語ではない言語を身につける場合、一般的には、言語にふれる時間は制限されています。その限定された時間内で、どのようにして英語を習得させていくのか、そこには、スクールごとに、いろいろな工夫がされているはずです。そこを見て頂き、お子様に合っているかどうかを、見極めて頂きたいと思います。
KEAのカリキュラムは相当練られ工夫されていますね。少し紹介してもらえますか?
C)
KEAでは、ネイティブの子ども達が英語を学ぶ際に利用する方法でもある「フォニックス」と、第2言語として英語を学ぶときに必要な「ボキャブラリーや文法の反復練習」とを掛け合わせた、オリジナルカリキュラムで指導しています。
反復練習はとても重要で、しかし、同じことをくり返すわけですから、子どもたちは一般的には飽きてしまう…。そこに先生方が、趣向を変えていろんな工夫をしてくださっているのも、大きな特徴かと思います。
例えば、同じ言葉やフレーズが繰り返し出てくるのですが、そこにはいろいろな仕掛けがなされていて、子どもたちには、「同じことをやっている」という意識はありません。ゲームをしたり遊んでいるような感覚なのだと思います。楽しい、面白い、ゲームに勝ちたい!こんな風に過ごす中、気づけば反復して覚えてしまっているようです。
3.スクール内で日本語を使用してよいか、否かという点
E)
では、最後3点目に行きます。スクール内で日本語を使用してよいか、否かという点です。英語スクールによっては、“No Japanese”という文化があるところもあります。あるいは、KEAのように、日本語を禁止にしていないところも。どちらが良いということはありませんが、どんな思いで、そのルールを敷いているのか、そこには是非目を向けてもらいたいと思います。
KEAが、日本語を禁止にしていない理由について、教えてもらえますか。
C)
KEAに来るほとんどの子ども達の第1言語は日本語になります。第2言語の英語の習得については、さまざま考え方があると思いますが、KEAでは、「第2言語が第1言語を超えることは無い」ということと、「ダブルリミテッドのリスクを減らす」という考え方を大切にしています。
そために、KEAではまず第1言語の日本語の「器」を大きく発達させたうえで、第2言語をそこに追加していくというイメージで、指導をしています。この時期は言葉をたくさん習得する時期、母語もたくさん習得していくことが重要と考えています。
また、日本語でも知らない言葉や表現を、英語でイメージして使うことは難しいと思います。ですから、まずは思っていることを「表現する」ことができるように。そのために、日本語を禁止!としてしまうと、表現する意欲がなくなり、言葉を覚えることに楽しさも感じられなくなってしまう。それは、避けねばならないと思っています。
これまで私たちは、こういった思いで子ども達の英語学習をサポートしてきていますが、
日本語でしっかりとコミュニケーションが取れる子どもほど、英語でも自信をもって表現することができている…こんな風にも感じます。日本語と英語という言語の違いではなく、そもそも自分が考えていることを言葉にして伝える言語力、表現力を育てることに私たちは注目しています。
E)
表現することの楽しさをこの時期にしっかり身につけることは、語学力の大きな土台にもなりそうですね。
本日は「英語の学習環境をどう選ぶか」につき、3つの視点をご紹介しました。ご家庭の方針に合わせて、楽しく選んでいってくださいね。
動画はこちら
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記事執筆
江藤真規
https://saita-coordination.com/