コラム記事 #56
飽きっぽい我が子にどう対応する?
神戸イングリッシュアカデミー(KEA)では、皆さんの子育てが少しでも豊かになるように、少しでもラクになるように、子育ての「ちょっと困った」ことについて、共に考えていく場作りをしています。
保護者様から実際にいただいた質問に、対処のコツや子どもの見方のコツを解説して参ります。毎日の子育てに是非お役立てください!
Ms.Carnell 以下(C) 神戸イングリッシュアカデミー(KEA)スクールディレクター
Ms.Eto 以下(E) 神戸イングリッシュアカデミー(KEA)プログラムコーディネーター
飽きっぽい我が子にどう対応する?
C)
皆さんこんにちは。KEAのカーネルです。KEAでは、保護者さまの学びの場として、ペアレンティングを行っているのですが、本ブログはそこで挙げられた質問に、ゆるりと対談形式でお答えするというスタイルで進めていきたいと思います。子育ての息抜き時間にお読みいただければ幸いです(対談動画も視聴できます!)。
さて、今日のテーマは、「飽きっぽい我が子にどう対応する?」です。
集中力のある子が羨ましい。うちの子は、なかなか一つの遊びに集中できないんです…、このようななお声をよくいただきます。今日も一緒に考えていきましょう。
今ある状態は、生まれもった個性だけではない
E)
集中してもらいたい、そのお気持ちもよく分かります。
子どもによって、すごく集中して、じっくり遊ぶ子どももいれば、次々と遊びが移り変わっていく子どももいる。おそらく、このご質問をくださった方は後者の「遊びが移り変わっていく」タイプのお子さんの保護者様かなと、そして色々と工夫してもなかなか長続きしない…、こんな課題を感じていらっしゃるのかなと推測します。
まずお伝えしたいのは、生まれ持った個性として、1つのことをじっくり行うのが好きな子もいれば、興味が移り変わる子もいるのですが、しかし、今ある状態は、生まれもった個性だけではないということ。これを、まずはお伝えしたいと思います。
その上で、例えば「集中力」、つまり1つのことにじっくり取り組むことができる未来に向かって、家庭ではどんなことができるのかについて、お話をしていきたいと思います。
その前に…、今みんな忙しいですよね。KEAのお子さん達はどうですか?
C)
はい、とても忙しそうです。特に放課後にくる小学生たちは、本当に忙しそうです。はしごで複数の習い事をしてることも多く、学校の宿題に塾の宿題と、どんどん子ども達は忙しくなっていっているようです。もちろん、小学生だけじゃなくて、未修学児ちゃんたちもすごく忙しい様子です。
E)
ですよね。そういう環境では、子どもの心にも、親の心にも「焦り」があって、無意識のうちに「急いで!」という気持ちになったりしてしまうと思うんです。「早くしなさい!」「〇〇しなきゃだめでしょう!」「どうしてできないの!」「どうして集中しないの!」という具合です。
しかし、子供にじっくり一つのことに向き合ってもらいたいと願うのならば、ご自分の心に少しだけでも「スペース」を作っていくことが大事なのでは、と思うんです。深呼吸するなり、ちょっとリラックスするなりして、その上でNG言葉を言わないようにしようっていうのは、効果があるのでは…と思います。
NG言葉とは、例えば「決め付け言葉」ですね。「〇〇しないとダメだ」や「〇〇をすべきだ」など。そういう言葉を自分の中から排除していくと、もしかしたら子供の気持ちの焦りが軽減され、「今は自由に遊んでいいんだ」となるかもしれません。それが、一つの遊びの継続につながったり…。
また、「決めつけ言葉」を減らすことで、親御さんご自身の焦り感も軽減されるように思います。使う言葉によって、心のあり方は変わってきます。
とにかく、「さあ、次は何をやって、次は何をやって…」という忙しい状況だと、その中で1時間空いたから、1時間同じ遊びに向かってもらいたいなと思っても、それはなかなか難しいのではと思います。ですから、まずは、ご自分の気持ちにゆとりを作っていけるといいですね
プロセスに目を向けることが、変化のいとぐちにもなる
E)
もう1つは、「どこを見るか」ということ。
どうしても親の目というのは「成果」「結果」にいくんですよね。私も通ってきた道なのでよくわかるのですが、例えば遊びにしてもお絵かきにしても、パズルにしても、「上手にできているかな」という「結果」に目がいってしまうんです。
しかし、本当に見たいのはそこではなくて、取り組んでいる姿勢。特に、集中することに意識を向けたいのなら、取り組みのプロセスに目を向けていくことが大切。「よくできたね」という成果を褒める言葉はやめて、「集中していたね」とか、子どもの取り組んでいるプロセスを見て伝える。
また、子どもが集中して遊んでいる時には、あえて何も言わないで見守る。そして、ふっと子供の手が止まった時に、「すごい努力していたね。難しいけど頑張っていたね」とか、「あと少しでできそうだね」とか、言葉をかけていくといいのかなと。こういった言葉かけが、取り組みを楽しむ、つまり集中することにもつながっていくのかなと思います。
「この絵が素晴らしい」という言葉ではなく、努力している様子、一生懸命自分でなんとかしようとしている様子を見て、「難しいけど頑張っているね」「あと一息だね」など、このような言葉をかけていくと、子供も一つのことに安心して楽しく取り組むことができるようになっていく可能性があるのかなと思うんです。
もちろん、すぐに変化することはないかもしれませんが、中長期的に考えていくと、「集中しない」ことを、個性と片付けてしまうのではなく、少しでも集中できる環境を整えていくことは、とても重要なことと思います。使う言葉を変えて、ご自分の焦りを取り除くことや、プロセスに目を向けることが、変化のいとぐちにもなるかもしれませんので、面白そうと思ったことがあればぜひ実践していただければと思います
声かけって本当に重要で、「よくできたね」という言葉かけばかりをしていると、よくできなさそうな、つまり難しいものに子供はチャレンジしなくなっていくということも言われています。なので、やはり「よくできたね」っていう言葉だけではなく、「努力している、なんとかしようとしているプロセス」をまずは親が見つけて、タイミングがあれば、言葉をかけていくと、集中力にもつながっていくのだと思います。
C)
あと、ちょっとだけチャレンジングなことを導くというか、大人も一緒に入って、一緒できたら一緒にやってみるとか、そういったことも面白いかもしれませんね。集中することの楽しさも、子ども達にはぜひ味わってもらいたいなと思います。
それでは、今日はここまでにしましょう。
KEAでは、今後もゆるりと対談をして参りますので、「こんなことを聞いてみたい」というテーマがありましたら、こちらに共有いただけますと有り難いです!
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記事執筆
江藤真規
https://saita-coordination.com/