コラム記事 #58
トイレトレーニングを成功させるコツ
神戸イングリッシュアカデミー(KEA)では、皆さんの子育てが少しでも豊かになるように、少しでもラクになるように、子育ての「ちょっと困った」ことについて、共に考えていく場作りをしています。
保護者様から実際にいただいた質問に、対処のコツや子どもの見方のコツを解説して参ります。毎日の子育てに是非お役立てください!
Ms.Fukui Asa 以下(A)KEA ジュニア・プリキンダーマネージャー
Ms.Eto 以下(E) 神戸イングリッシュアカデミー(KEA)プログラムコーディネーター
今日のテーマは、「トイレトレーニングについて」です。
E)
トイレトレーニングは、いつの時代にもある、子育ての課題です。いつから始めるのか、どうやって進めていくのか、個人差もありますし、難しさを感じていらっしゃる方も大勢かと。私自身も、もうかなり前のこととなりますが、大変苦労した記憶があります。当時はプレッシャーに押しつぶされそうになりながら過ごしていたこと、今でもよく覚えています。
今日は、トイレトレーニングをすすめる上で、何かヒントになるようなことがあれば…と、アサ先生にご意見を伺ってみたいと思います。よろしくお願いいたします。
A)
はい、よろしくお願いいたします!
スクールで「トイレトレーニング」をしていますが、ここにも個性があって、完了するまでのプロセスは、10人いたら10通り。ただ共通して言えるのは、例えばトレーニング完了までに10段階あったとしたら、みんな急に1から10に飛ぶのではなく、1から2に、2から3にと、一段一段進んでいくということ、ここは共通です。大人は焦って「早く」と思ってしまいますが、段階を踏んでいく…、ここは是非理解しておいていただきたいところです。
その上で今日は、トレーニングをすすめる6つのステップについてお話していきたいと思います。
E)
6つのステップ、是非よろしくお願い致します!
[トレーニングを始める前段階 ステップ0]
A)
まずは、親の心の準備も大切なんですけど、それ以上に子どもの体の準備もとっても大事だということをお伝えしたいと思います。
E)
体の準備ですか?
A)
そうなんです。おしっこをためるには筋力が必要で、その筋力がしっかりしていないと、おしっこをためることができなくって、頻繁に失敗してしまうんですよ。そうすると、やる気もなくなってしまうので、まずは体の準備も整えていくということが大事です。いつもベビーカーであまり動いていなかったりすると、まだ導入するには難しいかもしれません。体を動かしていくことも、大切にして欲しいと思います。
あと、お尻が汚れてしまった時に、どう声かけするかも大事です。「きれいにしようね」と優しく伝えたり、きれいにした後に「すっきりしたね」っていう声かけをしていく。そうすると、「あ、これがきれいになった、すっきりしたってことか」というのがわかっていきます。爽快感みたいなものを、声にしていただきたいと思います。
E)
ステップ0の準備段階、とても重要ですね。
[ステップ1 トイレが好きになる]
A)
[ステップ1]
では、いよいよトレーニング開始です。
まずは、「トイレが好きになる」です。
トイレってすごくいいところだなって思ってもらえるように、動機付けていきます。絵本なども利用して、トイレに興味を持たせていく。「ノンタンのおしっこしーしー」とかもいいですね。トイレに行った子が「すっきりしたね」っていう絵本を読んだりして、「憧れのトイレに行けるぞ!」という気持ちを育てていきます。
[ステップ2 トイレにすすんで座ってみよう]
そしてステップ2は、「トイレにすすんで座ってみよう」です。
自分で脱いでトイレに座るということです。
E)
座ればいいのですね。排泄しなくてもいいのですか。
A)
はい、出なくても大丈夫です。自分から座りたいと思ったら、とても順調。ステップ通りに進んでいますよ。
[ステップ3 トイレで成功する]
A)
ステップ3は、たまたまでも何でもいいです、「トイレで成功する」ことです。
トイレが好きになって、座っている間にふと成功することもあるんですよ。そんな時がチャンスです。おしっこがたまっていれば、出る可能性もあって。
でも、ここでいきなりパンツにすると、まだ失敗してしまうことが多いので、少し難しくなってしまいます。ですから、いきなりパンツにしなくても大丈夫。
しかし、このタイミングで是非やって欲しいのが、「好きなキャラクターのパンツを買ってあげる」ということ。で、成功体験が増えてきたら、「大好きなパンツを履こうね」ってしていきます。
E)
子どもは好きなキャラクターのパンツを履く時、どんな気持ちなんでしょうね。
とってもワクワクなんでしょうね。
[ステップ4 同じ時間帯や同じ間隔でトイレに誘う]
A)
あとは、大人にトイレを誘ってもらいながら、少しずつパンツで過ごせる時間を増やせるようにしていきます。ここで大事なのが、同じ時間帯や同じ間隔でトイレに誘うこと。これがステップ4です。
難しさはありますが、ここで習慣づけるって、すごく大事なことなんです。ここで習慣ができてしまえば、あとは本当にラクなので、頑張って欲しいところです。
E)
なるほど、例えば朝起きたらすぐだとか、ご飯の前だとか、同じ時間に誘うということですね。
A)
はい、そうなんです。家だと、子どもも遊びたかったりして、同じ時間に…は難しいかもしれませんが、スクールでは、「みんなで行こう!」ができるので、お家よりラクかもしれませんね。家では何もしていないのに、スクールでオムツが取れてしまった、ということも結構あるんですよ。
E)
それは、大変羨ましいことです。
A)
あと、ここで大切なのが、失敗した時の対応です。「あ〜、失敗しちゃった」とか「えっ!」と大人がびっくりしてしまったりすると、子どもはすごく罪悪感を感じてしまって…。それで、「なら、オムツの方がいいや!」となってしまいます。なので、たとえ失敗しても、「気持ち悪かったね〜」と、心の余裕をもって関わってもらいたいと思います。
E)
あ〜、そこ本当に大事なポイントですね。
[ステップ5,6 トイレに行きたいと伝えられるようになる/自分で行ってみようとする]
A)
ここまでくればゴールはすぐそこ。ステップ5は自分で「トイレに行きたい」と伝えられるようになることです。
まだこの時期も失敗はちょこちょこありますが、自分で行ってみようとする、ここができるようになるのがステップ5です。
そして、私たちが一切何も声かけずでも、自分でトイレ行けるようになる、これがステップ6。これでトイレトレーニングは完了です。
E)
ありがとうございました。家庭で使えるヒントもたくさんありましたね。
そして、大人の関わり方が重要なこともよくわかりました。楽しい気持ちですすめていくことができるといいですね。
動画はこちら
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記事執筆
江藤真規
https://saita-coordination.com/