「子どもが嘘をつく」への対応、なんで本当のことを言わないのかな? | 神戸プリスクール【KEA】

教育コラム

コラム記事 #55

「子どもが嘘をつく」への対応

神戸イングリッシュアカデミー(KEA)では、皆さんの子育てが少しでも豊かになるように、少しでもラクになるように、子育ての「ちょっと困った」ことについて、共に考えていく場作りをしています。

保護者様から実際にいただいた質問に、対処のコツや子どもの見方のコツを解説して参ります。毎日の子育てに是非お役立てください!

Ms.Carnell 以下(C) 神戸イングリッシュアカデミー(KEA)スクールディレクター

Ms.Eto 以下(E) 神戸イングリッシュアカデミー(KEA)プログラムコーディネーター

 

今日のテーマ「『子どもが嘘をつく』への対応」

子供が嘘をつく、言い方をかえて、「本当のことを言わない」にしましょう

C)
皆さんこんにちは。KEAのカーネルです。KEAでは、保護者さまの学びの場として、ペアレンティングを行っているのですが、本ブログはそこで挙げられた質問に、ゆるりと対談形式でお答えするというスタイルで進めていきたいと思います。子育ての息抜き時間にお読みいただければ幸いです(対談動画も視聴できます!)。

さて、今日のテーマは、「子どもの嘘」です。

子どもが嘘をつく…こんな時に、どう考えたらいいのか、どう対応したらいいかがわからない、こんなお声をいただきます。一緒に考えていきましょう。

E)
子どもが嘘をつく。。。親にとってはショックですよね。明らかにやっているのに、「やっていない」と言ったり…。子どもにも事情があるのはわかるのですが、でも、このまま“嘘”というか、事実でないことを受け入れていいのか、難しいですよね。嘘つきになってしまったら大変、など、不安な気持ちもすごく大きくなると思うんです。

とはいえ、確かにそれは「嘘」なのかもしれないけど、単に「嘘はけません!嘘つきはだめです!」ということだけを厳しく伝えても、あまり伝わらない。

さらには、「あなたは、悪い子だ」と、子どもを否定してしまったりすると、二次的な弊害、つまり、怖いが故に親に本当のことを言えなくなってしまったり、隠すようになったり…そんなことが起きてしまうかもしれません。ですから、デリケート故に丁寧な関わり方が求められるということなんです。

子供が嘘をつく、言い方をかえて、「本当のことを言わない」にしましょうか。

本当のことを言わない、本当のことを言えない背景には、何らかの理由があるんですよね。大人の意図的な嘘、詐欺だとか誰かを騙すとか、そういうのと、子供が本当のことを言わないっていうのは、また少し異なります。本当のことを言えない、言いたくない理由があって、嘘をついてしまうっていうことなんですね。

こういう状況に対して、では、どんな関わり方があるのか。事例があった方が分かりやすいので、よくある事例を挙げながら、解説したいなと思います。

 

「なんで嘘をつくのかな」と、推測すること

「なんでこの子は本当のことを言わないんだろう」と考えてもらいたいんです。背景にある気持ちを探っていくということです。

E)
例えば、2人姉妹の間の揉め事にしましょう。お姉ちゃんが妹の大事にしているおもちゃを取り上げて、更には手まで出してしまって、妹を泣かせてしまった。こんな場面にしましょう。

この場面に遭遇した母親が、「妹のおもちゃを取り上げたらダメじゃない!叩くなんてとんでもない、絶対ダメ!」と介入します。そんな時に、「おもちゃなんて取ってないし、叩いてなんかない」と、お姉ちゃんの方が事実でないことを言ったとします。でも、お母さん、目撃してんですよね。叩いていたし、おもちゃもとっていたし。

さて、ここでどう関わるかが、ちょっと知恵が必要な部分なんです。

「なんてあなたは、嘘つきなの!お母さん見ていたのよ!」「お母さんは嘘なんて大嫌い!本当に悪い子ね!」これはどうでしょう。こうなってしまうと、お姉ちゃんの行動の背景にある「気持ち」が、聞けなくなってしまいます。さらに、親子関係が崩れて、心を閉ざしてしまうことにもなりかねません。

なので、まず最初にやっていただきたいのは、「なんで嘘をつくのかな」と、推測すること。

明らかに、おもちゃも取ったし叩いたりもしているのに、「なんでこの子は本当のことを言わないんだろう」と考えてもらいたいんです。背景にある気持ちを探っていくということです。

推測をしていくと、例えば「妹ばっかり大事にされているような気もちなのかな」とか、「そういえば、最近おもちゃは妹にしか買ってあげていなかったな」などに、気づいていくこともあるかもしれません。

または、少し話せる年齢だったら、対話をすることも大切だと思います。まずは、「叩くことはいけないよ。そして、これは妹のおもちゃなんだよ」と、事実を伝えた上で、「本当はどうしたかったのかな」と、お姉ちゃんの気持ちを聞いていきます。

優しく寄り添って聞いていくと、自分の気持を言ってくれることもありますし、そうやって気持ちを吐露することは、とても重要だと思うんです。何かしら、理由は絶対あるんですね。それを聞いてあげることに徹します。

そして、もしも寂しかったなんてことがわかったのなら、その夜は、妹が寝た後に、お姉ちゃんと2人だけで話す時間をとるなど、「不満だった理由」を埋め合わせることができると、更にいいですよね。

あと、もう1つお伝えしたいことがあって、それは、子どもに指摘をする際には、嘘がダメだということではなく、子供の取った行為の、どこが悪いのかということを、伝えましょう、ということなんです。

「行動」自体を指摘するようにしましょう

「あなた」を責めるのではなく、「あなたのとった行動」を指摘する。これが重要です。

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「嘘つきはだめ」と言われると「あなたは悪い子だ」と言われているのと、同じように聞こえてしまいます。つまり、自分が責められる、「嘘をつくようなあなたは大嫌いよ」と、伝わってしまい兼ねません。そうなると、子どもはもう、どうしたらいいのかわからなくなってしまいます。家庭という場が安心できる場ではなくなってしまいます。

なので、「何があったか分からないけれども叩くのは良くないよ」とか、「何があったかは分からないけれども、貸してって言わないで、おもちゃを勝手に取り上げるのは良くないと思う」、こんな風に、「行動」自体を指摘するようにしましょう。「あなた」を責めるのではなく、「あなたのとった行動」を指摘する。これが重要です。

更に、指摘するだけでなく、「どうしたら良かったのか」についても、一緒に考えることができるといいですね。

C)
スクールでも、そういう時の配慮を大切にしていますね。子どもに寄り添い、丁寧にかかわっていくと、子ども自身が「なぜ、本当のことを言わなかったのか」に気づき、そして、自分で「本当のことを言わないのが悪かった」ということにも、気づいていっているようです。

E)
子どもには力がありますよね。嘘が悪いというより、よくなかった行動を見つけて指摘してあげる。それが、子どもの「嘘をつく」への対応として、重要と思います。

C)
はい、子どもに気づくきかっけを作っていくことが大切ですね。それでは今日はここまでにしましょう。

KEAでは、今後もゆるりと対談をして参りますので、「こんなことを聞いてみたい」というテーマがありましたら、こちらに共有いただけますと有り難いです!

 

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記事執筆
江藤真規
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